アトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎とは

よくなったり悪くなったりを繰り替えず湿疹を主病変とする慢性の疾患です。一般的には、乳幼児期(生後半年から一才頃)に顔などを中心に湿疹が広がりはじめます。IgEが発症に関わっており、その発症には体質が関与します。この体質をアトピー性素因と言います。この素因のある人では、アトピー性皮膚炎だけでなく気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などにも罹り易くなります。

診断

1994年に皮膚科学会より一応の診断基準が作成されています。大ざっぱには、(1)掻痒があって(2)慢性に経過する湿疹があり、特徴的な病変が左右対称に顔や四肢関節部など特徴的な部位に生じたものとされています。
病変は年齢によって若干異なります。乳幼児期では顔面や頸部などに湿潤する湿疹として出現し、幼児期になると体幹や四肢、膝窩部などにより強くなる傾向があります。年長になるほどに乾燥傾向が強くなります。

アトピー性素因のある人では多くの人で血液中のIgEレベル(総IgE値)が高くなっています。一部に総IgEが正常レベルであるにもかかわらずアレルギーがあったり、逆に高値でも症状がない場合があります。一般に乳幼児では食物抗原が、年長児では室内のほこりやダニ抗原が関与することが多いと考えられています。 

原因となっている物質を明らかにする代表的な方法として、抗原特異的IgE抗体(IgE-RAST)の測定が挙げられます。ダニ抗原や特定の食品に対する抗体が存在し、かつ、それらの抗原にさらされると症状が悪化する場合には、それらの物質を原因抗原と考えてさしつかえないでしょう。症状と全く関連がなさそうな場合には、必ずしも原因抗原とは断定できません。

この他、血液中の好酸球増多、パッチテスト、皮内テスト、白血球ヒスタミン遊離試験、リンパ球刺激試験、血清サイトカイン測定などの検査法が知られています。

治療

(1) アレルゲンの除去
アレルギー性疾患では、その原因(アレルゲン)を見つけ、これを除去するのが理想ですが、実際にはうまくいかないことも少なくありません。アトピー性皮膚炎で特定の食物に感作されている場合にはこれを除去することで症状が改善します。また、ダニ抗原に感作されている場合には生活の場からダニを減らすよう努めることが大切になります。

(2)スキンケアー
また、汚れ、細菌感染、掻き破るといったことが悪化要因となります。皮膚を清潔に保つ、爪を切る、外用薬や内服薬を上手に使って、かゆみを抑え、掻かないようにすることが大切です。

非ステロイド系外用薬(アンダーム軟膏、スタデルム軟膏など)をベースにステロイド含有の外用薬(ロコイドクリーム、キンダーベート、リンデロン軟膏など)を組み合わせて治療を行います。乾燥が強い場合には保湿剤なども有用です。

(3)内服薬
抗ヒスタミン剤や抗アレルギー薬による治療を行います。これらの薬剤はアレルギー反応を抑え、かゆみを低減させQOLを改善します。感染がある場合には抗生物質の内服、外用なども併用します。また、症状によってはいくつかの漢方薬も有効とされています。